走り幅跳びに必要な能力は、「スピード・跳躍力・巧ち性(器用さ)」であり、
①助走 ⇒ ②踏み切り準備 ⇒ ③踏み切り ⇒ ④空中動作 ⇒ ⑤着地 の5つの要素で構成されています。
初心者向けに、各場面でのポイントを整理しました。
また、陥りやすい欠点を「✓CHECKリスト」に挙げてみましたので、あてはまることがないかチェックしてみて下さい。
「助走」スピードは幅跳びの命! (スピードとリズム)
💡力まずにスムーズな助走で、最高に近いスピード(100%ではない)で踏み切り板に。
※ 助走スピードとは、あくまでも踏み切り直前のスピード。
💡走るリズムとストライドを安定させ、いつも同じ走りを心がける(最初の4歩目・踏切4歩前等がいつも同じ所にくるように)。
※ストライドは助走スピードと跳躍力アップの重要なポイント
✅ 100%のスピードで踏み切っていませんか?
⇒ 最大スピードでは踏切準備動作(沈んで体を起こす)に入る余裕がなくなる
✅ スプリント(短距離走)と同じような走り方をしていませんか?
⇒ 幅跳びの助走は、短距離のような腰ののった走りではダメ。
(小学生には難しい。助走を安定させファールを防ぐため全力疾走でよい。)
✅ 助走のストライドが、せま過ぎたり大きすぎたりしていませんか?
⇒ ストライドは助走スピードと跳躍力アップの重要なポイント。
5歩前・2歩前などにもマーカーを置き、跳躍に適したストライドをコントロールする。
スピードを生かすも殺すも「踏切準備」(最後の2歩)しだい。
💡「タン・タン・タン・タ・ターン」のリズムで踏み切る。
(または「タン・タン・タ・タ・ターン」など)
💡踏み切りの1歩手前で、重心を下げ、上体を起こして踏み切りに入る。
※ 強い踏み切りのできる人は、この踏み切り準備が自然にできる
💡最後の1歩のストライドを少し狭く(広いと高く跳べない!)
※スピードが落ちないように注意
✅ 「タン・タン・タン・タ・ターン」のリズムで踏み切っていますか?
(または「タン・タン・タ・タ・ターン」)
✅ 重心を下げ、上体を起こし、少し狭い歩幅で踏み切りに入っていますか?
⇒ 強い踏み切りができるかどうかは、この踏み切り準備にかかっている
「踏み切り」(強さ・角度)が跳躍幅(記録)をのばす!
* 高く跳ぶ(20~24度)ためには *
① 素早く足の裏全体で、踏み切り板を強くたたきつける。
※この動作が速ければ速いほど、脚全体は胴体より前に進められ、後傾姿勢(体を起こす)が自然にとれるようになる。
② 踏み切りで、上体を思い切って起こす。
③ 反対脚のひざを高く引き上げる。
④ 反対腕の肩とひじのふりこみ動作で体を引き上げる。
⑤ 踏み切り板上で瞬時に体を長く押し出す。(踏み切り板上での腰の移動距離を大きく)
※ 短距離のスペシャリストが必ずしも跳躍選手に勝てないのは、この動作に大きな差があるため。
⑥ あごを上げない(力が抜けてしまう)。
踏み切った瞬間に、体は前方への回転運動が始まっています(昔「回転跳び」があったのはそのため。それを打ち消すために「はさみ跳び」は生まれた。)
上記②~⑤は、その回転運動に抵抗し、高く跳ぶための動作。
✅ 踏み切り板上での腰の移動距離が小さくありませんか?
⇒ ボルトなど短距離のスペシャリストが必ずしも跳躍選手に勝てないのは、この動作に大きな差があるから
✅ 強い踏み切りができるだけの脚力をきたえてますか?
⇒ 前方へのスピードを上方(16度程度)へと変えるには強靭な筋力が必要
✅ 5歩、7歩助走でのトレーニングをきちんと丁寧にやっていますか?
⇒ 歩数が少ないほど、動作がはっきりと意識でき正しい踏切を身につけられる
距離を減らさないための「空中動作」
空中動作で距離は伸びないが、着地を若干伸ばしたり、距離を減らさない(しりもちをつく等)ようにする。
💡 空中で体を垂直に起こす(目線が大切)。
※この後の脚 (両膝)の 引き上げが楽にできる。
💡 腕を大きく速く振り下ろし、反動で膝を胸に引き付ける。
✅ 空中で上体が垂直に保たれていますか?
⇒ 着地での両足の振り出しを容易にする
✅ 空中であごが上がって上を向いてしまっていませんか?
⇒ 高く跳ぼうとあごが上がってしまうと力が抜けてしまう。だから目線が大切。
✅ シザースの時(「はさみ跳び」の場合)、膝がしっかりとたたんでありますか?
跳躍の仕上げ(距離を減らさない)「着地」
💡 上体を前のめりにせずに、両足を前にふり出す。
※上体が前につっこんだ姿勢から両足をふり出そうとすれば、上体はますます前かぶりになり、かかとは目標点よりはるか手前に降りてしまう。
💡 上体と脚部をたたむ。(胸と膝をくっつけるように)
💡 着地と同時に膝をゆるめ、足のあとにお尻をもっていくようにする。
✅ 足をしっかり前に出していますか?(すぐに足を着かず我慢していますか?)
⇒ 足裏を前に見せ、かかとから刺すイメージ
✅ 上体と脚部をたたんでいますか?
⇒ 上体を振り込みながら膝を胸まで引きつける
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