スポーツ感動の実話 メキシコ五輪サッカー銅メダル

2019年、日本で開催された世界三大スポーツイベントの「ラグビーワールドカップ」。
日本中に大きな感動を与えた日本代表チームの合言葉「ONE TEAM」は、その年の流行語大賞にも輝きましたが、50年程前にも同じように日本を沸かせたONE TEAMがありました。

東京五輪を4年後に控えた1960年、当時アジア最弱といわれたサッカー日本代表チーム強化のため招聘されたドイツのクラマー氏
今も「日本サッカーの父」と称される彼は、「グラウンドはサッカーだけをやる所ではない。人間としての修練の場である」という信念のもと、技術・戦術の指導以上に選手たちに精神力の重要性を説き続け、「大和魂を見せろ」を口癖に、あきらめない心・折れない心を強化していきました。

高い指導力と熱い思いは、選手たちの心に火を点け、「クラマーのために闘う」と臨んだ東京五輪では、初のベスト8進出
1968年のメキシコ五輪では、エース釜本(得点王を獲得)や杉山らの活躍で快進撃を見せ、3位決定戦で開催国メキシコを破り、見事銅メダルに輝きました。

アジア初の快挙を支えたクラマーは、銅メダルを獲得した試合後、目の前に広がる光景に愕然とします。
ロッカールームに引き上げてきた選手たちは、勝利に歓喜することもなく、全員がその場に倒れ込み立ち上がれませんでした。
文字通り全力を出し切った選手たちは、立っている力すら一滴も残っていなかったのです。
ドイツナショナルチームの指導者であったクラマーですら、こんな姿は見たことがなく、そこに「大和魂」を見た〝泣かない男”クラマーは、初めて人目もはばからず泣きました

人の心を動かすのも、自分自身を動かすのも「思い」であり、それは50年たった今も変わっていない。今年の東京オリンピックでの日本選手の活躍を見ながら、改めて感じました。

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