努力の天才イチロー。自分に真っすぐに生きてきた彼の言葉には、「自分らしく生きる」ためのヒントがあふれています。
日本人野手初のメジャーリーガーとして、新人王、首位打者(2回)、盗塁王、MVPなどのタイトルの他、シーズン最多安打など、数々の記録を打ち立てたイチロー。
2019年3月21日、東京ドームで開催されたアスレチックスとのMLB日本開幕戦の試合後に引退を表明し、日米通算28年に及ぶ選手生活を終えました。
その日の深夜、1時間半にも及んで行われた引退会見での彼の言葉には、孤高の天才、努力の天才イチローの「好きなことに、精一杯取組む」「努力の先に本当の自分がいる」という彼の生き方とメッセージがつまっていました。その一部を以下に抜粋(一部中略)して紹介します。
引退会見での言葉(一部抜粋)
“後悔などあろうはずがありません。もちろんもっとできたことはあると思いますが、結果を残すために自分なりに重ねてきたこと。人より頑張ったとはとても言えないですが、自分なりに頑張ってきたということはハッキリと言えるので。これを重ねることでしか「後悔を生まない」ということはできないと思います。”
“自分が熱中できるもの、夢中になれるものを見つけて欲しいと思います。それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁に向かっていくことができると思うんです。いろんなことにトライして、自分に向くか向かないかというよりも、自分が好きなものを見つけて欲しいと思います。”
“成功すると思うからやってみたい、それができないと思うから行かないという判断基準では後悔を生むだろうなと思います。やりたいならやってみればいい。できると思うから挑戦するのではなくて、やりたいと思えば挑戦すればいい。そのときにどんな結果が出ようとも後悔はないと思うんです。”
“最低50まで(プレーする)は叶わず「有言不実行の男」になってしまったわけですが、でもその表現をしてこなかったら、ここまでできなかったかもなという思いもあります。だから「言葉にすること」、難しいかもしれないけど言葉にして表現することっていうのは、目標に近づく一つの方法ではないかなという風に思っています。”
“人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。あくまでも秤(はかり)は自分の中にある。自分なりに、その秤を使い限界を見ながら、ちょっと超えていく、ということを繰り返していく。そうすると、いつの日か「こんな自分になっているんだ」っていう状態になって、だから少しずつの積み重ねでしか自分を超えていけないと思うんですよね。一気に高みにいこうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて続けられないと僕は考えているので、まぁ地道に進むしかない。後退もしながら。でも、自分がやると決めたことを信じてやっていく。でもそれは正解とは限らないですよね。間違ったことを続けてしまっていることもあるんですけど、でもそうやって遠回りすることでしか、なんかホントの自分に出会えない、そんな気がしています。”
“僕、ゲーム前にホームの時は妻が握ってくれたおにぎりを食べるんです。その数が2,800ぐらいだったんですよ。妻は、3,000行きたかったみたいですね。そこは・・・うん・・・、3,000個握らせてあげたかったなと思います。”
以上、引退会見でのイチローの発言を抜粋してご紹介しました。
最後の奥様への言葉には、支えてくれる存在の大切さと、孤高の天才と呼ばれたイチローの温かさを垣間見ることができます。
その他の「イチローの名言」の数々を、以下にご紹介します。
イチローの名言「自分を磨く・向上心」
“「楽しんでやれ」とよく言われますが、僕には、その意味がわかりません。”
“プレッシャーに潰れるようだったら、その選手はそこまで。”
“なりふりかまわないで、自分の行きたい道を進むこと。”
“他人の記録を塗り替えるのは7割・8割の力でも可能ですが、自分の記録を塗り替えるには10割以上の力が必要です。”
“人に勝つという価値観では野球をやっていません。”
“人の数字を目指しているときは、限界より手前を目指している可能性がありますけど、自分の数字を目指すのは、常に限界への挑戦ですから。”
“成績は出ているから今の自分でいいんだ、という評価を自分でしてしまっていたら、今の自分はない 。”
“結果が出ないとき、どういう自分でいられるか。決してあきらめない姿勢が、何かを生み出すきっかけをつくる。”
“自分の器が広がっているとは感じていません。自分の能力をどれくらい発揮できるかが、変わったと思います。”
“どんな負けかたをしようと、1日に2敗することはありません。”
“人のアドバイスを聞いているようでは、どんどん悪いほうにいきます。周りは前のフォームがどうだったとか言いますが、実はそんなことはたいしたことではないのです。精神的なものが大きいと思います。どうやって気分を替えるかとか、そういうことが大事です。”
“はじめから、今があったわけではありません。状況は少しずつ変えていけるものです。”
“気持ちが落ちてしまうと、それを肉体でカバーできませんが、その逆はいくらでもあります。”
イチローの名言「プロとしての考え方」
“どんなに難しいプレーも当然にやってのける。これがプロであり、僕はそれにともなう努力を人に見せるつもりはありません。”
“僕が数字で満足することはあり得ません。なぜなら、数字が内容を反映しているとは限らないからです。目標を設定してそこに到達すれば、そこで満足してしまって先へ進む努力をしなくなるでしょう。”
“毎打席何かしら学ぶべきこと、改良すべきことがあります。満足は求めることの中にあるんです。”
“考える労力を惜しむと、前に進むことを止めてしまうことになります。”
“自分がわからないことに遭遇するときや、知らないことに出会ったときに、「お、自分はまだまだいける」と思います。”
“本物でないものは、すぐに見破られます。”
“いかに、いい成績の記憶を、振り払うかということは大事でしょうね。そういうものを背負うと、自分を苦しめることはわかっていますから。”
“夢がだんだん近づいてくると、目標に変わってきます。”
“どうやってヒットを打ったのかが問題です。たまたま出たヒットでは、なにも得られません。”
“ぼくは天才ではありません。なぜかというと自分が、どうしてヒットを打てるかを説明できるからです。”
※ 前記事:「イチローの名言1 “努力・自分と向き合う”」はこちら
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