イチローの名言1 “努力・自分と向き合う”

孤高の天才イチロー。自分に真っすぐに、精一杯生きてきた彼の魂の言葉(哲学)には、生き方を考えるヒントとエールがあふれています。

マリナーズ入団記者会見

イチローのメジャー挑戦に対し、「日本人野手がメジャーリーグで通用するのか?」と疑問視する声が、日米問わず多くありました。当時、日本の野球とメジャーリーグのベースボールには、大きな(レベルの)差があるというのが大方の評価だったからです。
「文藝春秋」誌上に、アメリカ人ジャーナリストが「イチロー君大リーグは甘くないぞ」と題して、イチローがMLBでは通用しないことを断言し、「イチロー自身も『あーあ、アメリカにこなければ今ごろはまだ日本のスーパースターでいられたのに』と後悔しているかもしれない。来年の今ごろ、僕がこの誌面で平謝りに謝っているかどうか、忘れずにチェックしてほしい。」と執筆したほどでした。

背番号51についても、長くMLBのスーパースター ランディ・ジョンソン(1989-1998年まで在籍)の番号であったため、「ランディの功績を台無しにする」「ランディを侮辱している」という理由で、ファンからもあまり好意的には見られていませんでした。

2000年11月19日、イチローはマリナーズの入団記者会見を行います。
背中に「ICHIRO 51」とかかれたユニフォームに袖を通したイチローは、クルっと一回転してみせました。こんなに無邪気なイチローの姿を見たのは初めてでした。
日本人野手初のメジャー挑戦に対する周囲の様々な雑音と、300勝の大投手ランディ・ジョンソンの背番号を受け継ぐというプレッシャーの中で臨んだ、入団会見での言葉です。

”誰よりも自分が(自分の活躍に)期待しています。自信がなければこの場にいません。
  プレッシャーがかかる選手であることが誇りです。”

イチローは1年目から、巧みなバッティングと、スピード(走塁)、レーザービームと称された強肩(好守)でアメリカのファンを魅了し、オールスターゲームではファン投票で両リーグ1位の337万票を獲得し初選出されるなど、チームの地区優勝に大きく貢献しました。
この年、242安打打率.350を放ち、MLBの新人最多安打記録を更新するとともに、アジア人打者初の新人王を受賞。さらに首位打者・盗塁王・シーズンMVPシルバースラッガー賞・ゴールドグラブ賞と、数多くのタイトルや表彰を獲得し、日米のファンを魅了しました。

メジャー年間最多安打記録達成

2004年10月1日、ついにその瞬間はやってきました。
84年間破られる事のなかったジョージ・シスラーの年間258安打という記録を、一人の日本人が塗り替えたのです。
球場全体に鳴り止まない歓声、終わらないスタンディングオベーション・・・。
このメジャー年間最多安打記録を達成した後、偉業達成のポイントを問われ、このようなコメントを残しています。

”小さなことを積み重ねることが、とんでもない所に行くただ一つの道”

この年、最終的に、262安打、打率.372という、ファンの度肝を抜く驚異的な数字を残し、メジャーリーグでもスーパースターとしての地位を確立しました。

イチローの名言「努力の大切さ」

“自分のできることをとことんやってきたという意識があるかないか。それを実践してきた自分がいること、継続できたこと、そこに誇りを持つべき。“

 “結果が出ないとき、どういう自分でいられるか。決してあきらめない姿勢が、何かを生み出すきっかけをつくる。“

“苦悩というものは、前進したいって思いがあって、それを乗り越えられる可能性のある人にしか、訪れない。だから苦悩とは飛躍なんです。“

“手抜きをして存在できるものが、成立することがおかしい。”

 “「できなくてもしょうがない」は、終わってから思うことであって、途中にそれを思ったら、絶対に達成できません。“

“努力せずに何かできるようになる人のことを「天才」というのなら、僕はそうじゃない。努力した結果、何かができるようになる人のことを「天才」というのなら、僕はそうだと思う。“

日米通算4,000安打達成

2013年8月21日、前年に移籍したヤンキースで、2番右翼でブルージェイズ戦に先発出場したイチローは、第1打席で左前打を放ち、日米通算4000本安打を達成しました(日本の9年間で1,278安打、大リーグ13年で2,722安打)。
4,000安打以上を達成した大リーガーは、ピート・ローズ(4,256安打)とタイ・カッブ(4,191安打)しかいないという大記録です。ちなみに、イチローの最終的な生涯通算安打数は4,367本です。
そのときの記者会見で、「数多くの記録を持つあなたが一番誇れるものは?」と問われたときの言葉です。

”4,000本を打つために、8,000回の悔しい思いがある。
  誇れるとすれば、常にその事実と向き合ってきたことだと思う。”

イチローの名言「自分と向き合う・自分らしく生きる」

”妥協をたくさんしてきたし、自分に負けたこともいっぱいあります。野球に関してはそれがないというだけで。”

”決して、人が求める理想を、求めません。人が笑ってほしいときに笑いません。自分が笑いたいから笑います。”

”特別なことをするためには、普段の自分でいられることが大事です。”

”パワーは要らないと思います。それより大事なのは、自分の「形」を持っているかどうかです。”

”キライなことをやれと言われてやれる能力は、後でかならず生きてきます。”

 “やってみて「ダメだ」とわかったことと、はじめから「ダメだ」といわれたことは、ちがいます。”

”相手が変えようとしてくる時に、自分も変わろうとすること、これがいちばん怖いと思います。”

”僕はいつも一生懸命プレーしていますが、今日はよい結果が出なかった。でも、だからといって後悔もしていないし、恥ずかしいとも思っていません。なぜなら、できる限りの努力をしたからです。”

”試合後はロッカーや車の中で気持ちの整理をします。いい結果も、悪い結果も、家には持ちかえりません。”

”今自分がやっていることが、好きであるかどうか、それが大切。”

“憧れを持ちすぎて、自分の可能性を潰してしまう人はたくさんいます。自分の持っている能力を活かすことができれば、可能性は広がると思います。”

”びっくりするような好プレーが、勝ちに結びつくことは少ないです。確実にこなさないといけないプレーを、確実にこなせるチームは強い。”

”成功とはとても曖昧なものです。他人が思う成功を追いかける必要はありません。”

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